短編集「味なしクッキー」  味なしクッキー

 別れを決意して「最後の晩餐」の支度をする女、高校時代の友人の自殺の真相を知りたがる女、不倫相手にクッキーを焼く女……。
 気鋭の描く「無垢と悪意」の後味は? (表紙帯より抜粋)

 『天使の眠り』でブレイク、岸田るり子の描く「わるい女たち」(原書房オフィシャルサイトより)

原書房 四六判
定価: 1680円(税込)

 

長編「白椿はなぜ散った」  白椿はなぜ散った

 望川貴は幼稚園で出会った日仏混血の少女・万里枝プティに心を奪われ、二人は永遠の絆で結ばれていると確信する。小中高大学と同じ学校で過ごし、大学でも同じサークルへ入会するが、そこで出会った大財閥の御曹司が万里枝に急接近する。貴は凡庸な容姿の自分とは違い、驚くほどの美貌を誇る異父兄・木村晴彦に、万里枝を誘惑するよう依頼する。貴の計画は成功するかに見えたが……。
錯綜する愛憎。はたして真実の絆はどこに?(表紙帯より抜粋)

文藝春秋 四六判並製カバー装
定価: 1785円(税込)

 

長編第七作「Fの悲劇」  Fの悲劇

 絵が好きな少女・さくらには、不思議な力があった。空想で描いたはずの場所や物が、そのまま実在しているのだ。ある日、描いたのは、月光に照らされ、夜の池に浮かぶ美しい女性の姿。手には花束を抱え、胸にはナイフは突き刺さっていた。
 不吉なことと、母に絵を描くことを禁じられ、大人になったさくらは、祖母から叔母の話を聞いて愕然とする。女優だった叔母・ゆう子は、20年前、京都の広沢の池で刺殺されたというのだ。その死の様子は自分が昔描いたあの絵とそっくりである。
 次第に明かされるゆう子の壮絶な人生。そして驚くべき死の真相とは……?
 母の愛が手がかりを示し、子を守り導く。これは、様々なかたちの母と子の物語。(表紙帯より抜粋)

徳間書店 四六判ハードカバー
定価: 1785円(税込)

 

アンソロジー「不可能犯罪コレクション」  不可能犯罪コレクション

 二階堂黎人が編んだアンソロジー「密室殺人大百科」に続くアンソロジーで、前回同様現在における新鋭、先鋭を集め、不可能犯罪をテーマにした書き下ろしの新作集。このアンソロジーに集められた顔ぶれは、石持浅海、大山誠一郎、加賀美雅之、鏑木蓮、岸田るり子、門前典之(あいうえお順)という、いずれも二階堂黎人がこれから先の十年、本格ミステリー界を支え先導していく逸材と認識する精鋭ばかり。
 持ち味の違う精鋭たちの中で、岸田るり子氏が「父親はだれ?」でどのような個性を発揮するのか? 是非自らの目で確かめて下さい。

原書房 四六判ハードカバー
定価: 1900円(税別)

 

長編第六作「めぐり会い」  めぐり会い

 自分に自信がなく、家柄だけが取り柄だった華美は、お見合いでひとまわり年上の医師と結婚したが、夫には長年の愛人がいて、鬱々とする毎日だった。
 ある日、ふとしたことから手に入った他人のデジカメの画像を見るうちに、華美はその中の見知らぬ美少年に惹かれていく。熱い感情を抑えきれず、画像から少年の家をつきとめた彼女は、そこで彼の恐ろしい犯罪を見つけ出してしまうが……!?
 愛されず、自立もできない無力な女が、『運命の出会い』をきっかけに変貌していく姿と、その驚くべき結末を描いた、奇跡のラブ・サスペンス!(表紙帯より抜粋)

徳間書店 四六判ハードカバー
定価: 1890円(税込)

 

文庫版 鮎川哲也賞受賞作「密室の鎮魂歌」  密室の鎮魂歌

 第14回鮎川哲也賞受賞作「密室の鎮魂歌」の文庫版。失踪した由加の夫の背中の刺青と、『汝、レクイエムを聴け』という風変わりな絵に描かれた図柄が同じという奇妙な符合。失踪現場でおこる密室殺人事件。魅力的な謎に彩られた傑作が文庫版となって蘇る。
 冒頭の幻想的な謎、次々に起きる不可解な事件、そして論理的に解き明かされる驚きの真相。堂々たる本格ミステリーの傑作を、既読の方も改めて堪能してみるのも一興。未読の方は、文庫化を機に是非一読を!

東京創元社 創元推理文庫 装画・装幀:北見隆
ページ数320P 税込735円(本体価格700円)
5月10日発売

 

長編第五作「過去からの手紙」  過去からの手紙

 一週間の沖縄合宿から久しぶりに我が家に帰って来ると、待っていたのは奇妙な置き手紙と、腐ってもいないのに捨てられたチュー用の肉、そして、数日前から母が帰ってこないという事実だった。
 ひとつひとつは取るに足らない、小さな違和感が積み重なっていく。

 京都の町を自転車で駆けめぐる。個性豊かな高校生たちの活躍が楽しい、爽やかな青春ミステリー。

理論社 四六判
定価1,360円税込(本体価格1,300円)

 

長編第四作「ランボー・クラブ」  

 A(アー)は黒 E(ウー)は白 I(イー)は赤 U(ユー)は緑 O(オー)は青
フランス語など習ったこともない不登校中学生の僕が、なぜ、サイト<ランボー・クラブ>のトップページに掲げられたフランス語の詩を読めるのだろうか? 僕はいったい誰なのか? ある日、そのランボーの詩が書き換えられ、その詩が暗示する殺人事件が……。
色覚障害の少年をめぐる事件の驚くべき真相。鮎川哲也賞受賞作家が贈る渾身の本格ミステリー。

東京創元社  ミステリ・フロンティア 四六判仮フランス
定価1,680円税込(本体価格1,600円)

 

小説すばる10月号 短編「生命の電話」  

 また社長が、悩み相談の間違い電話に適当な受け答えをしている。面倒なことにならなければ良いのだが……。
 サツキは、営業の橋本と社長の前川のわずか三人だけの零細企業に勤めていた。電話番号が昔の「命の電話」と同じ番号なので、古いタウンページを調べた者から時々間違い電話がかかってくることがあった。その日も暴走族のメンバーで犯罪紛いのことばかりしている息子を殺して、自分も自殺するという母親から間違い電話がかかってきた。いい加減な受け答えをする前川に、サツキはうんざりするのだが……。
 巧みに張り巡らした伏線。ロジカルに紐解かれる真相。鮎川哲也賞作家が放つ秀逸な短編ミステリー!

集英社 月刊雑誌  定価880円税込

 

第三作「天使の眠り」  

 京都の医学部大学院に勤務する秋沢宗一は、研究室助手の結婚披露宴で、偶然ある女性を見かける。それは13年前、札幌時代に激しく愛しあった亜木帆一二三だった。不思議なことに、もう中年であるはずの一二三は20代の若さと美貌を持った別人となっていた。昔の燃えるような感情が甦り、どうしても彼女のことが忘れられない秋沢は、女の周辺を探るうち、驚くべき事実を掴む。彼女を愛した男たちが、次々と謎の死を遂げていったのだ……。
 鮎川哲也賞作家が放つ書き下ろし長編ミステリー!

徳間書店 四六判・ハード  定価1,890円税込

 

第二作「出口のない部屋」

 美貌の新進作家・仁科千里のもとに原稿を貰いに行った私、魁出版の香川。
〈そうだ、この声だ。昔とちっとも変わっていない。それにしても、私に気づかないとは……〉
 私は名刺を差し出した。彼女はそれを自分のほうに引き寄せて一瞬目を細めた。それからもう一度私の顔を見た。
〈ああ、気がついたのだ。私に〉
 渡された原稿のタイトルは「出口のない部屋」
「読ませていただいていいですか?」
 彼女はロボットのように無表情のまま頷いた。
 それは、一つの部屋に閉じ込められた二人の女と一人の男の物語だった。
 なぜ、見ず知らずの三人は、この部屋に一緒に閉じ込められたのか?
 三人は、免疫学専門の大学講師・夏木祐子、開業医の妻・船出鏡子、そして売れっ子作家・佐島響。いったいこの三人の共通点はなんなのか?
 三人とも気がつくと赤い扉の前に立ち、その扉に誘われるようにしてこの部屋に入ったのだった。そして閉じ込められたのだ。
 あなたたちは、どういう経緯でここにやって来たの?
 それぞれが記憶を辿り、その部屋に来るまでを話し始める。
 私の知りたかったことはすべてそこに書かれていた。そして〈出口のない部屋〉の意味も明らかになる。

『密室の鎮魂歌』で第14回鮎川哲也賞を受賞した岸田るり子が見事な手法で贈る、待望の第2作! (東京創元社HP 2006年4月5日掲載文引用)

東京創元社 ミステリ・フロンティア 四六判仮フランス
定価1,575円税込(本体価格1,500円)

 

鮎川哲也賞受賞作「密室の鎮魂歌」

 海外でも成功している女流画家の個展会場で、『汝、レクイエムを聴け』という風変わりな作品を見た一人の女が失神した。画家が五年前に失踪した自分の夫の居場所を知っているはずだ、というのが彼女の不可解な主張だった。画家とその失踪したといわれる夫はまったく面識はない。
 五年前のその失踪事件は謎に満ちていた。密室に残された青酸カリの空き瓶と、青酸カリ入りのワインを飲んだと思われる空のグラス。しかし死体はない……。
 そして、その失踪の現場だった家で五年後の今、再び事件が起きた。今度は密室殺人事件だった。さらに密室殺人はつづく。
 そして、失踪した男の背中の刺青と、絵の中の骸骨が持つ旗に描かれた図柄が同じだという奇妙な符合。魅力的な謎といくつもの密室に彩られた、鮎川哲也賞受賞の傑作本格ミステリ。(東京創元社HP 2004年9月10日掲載文引用)

東京創元社 四六判上製 装画:三浦均 装幀:緒方修一
ページ数280P 定価1,785円税込(本体価格1,700円)

※上記紹介文は、東京創元社のホームページより東京創元社および作者の了解のもとに引用掲載しております。

パブリシティ情報 雑誌Hanakoへの掲載情報

 

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